「責任ある積極財政を推進する議員連盟」提言のご紹介

2024/05/28

経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2024に向けて     令和6年5月16日

1、当面の経済財政運営について

我が国経済は、輸入物価上昇に伴うインフレ傾向が続いており、デフレからの完全脱却を果たす千載一遇のチャンスを迎えている。この機会を絶対に逃すことはできない。

この春の春闘では5.28%の賃上げが実現したとは言え、我が国の97%を占める中小企業においては、物価高・人件費高騰のコスト高により経営環境は厳しく、引き続き価格転嫁が確実に行われるよう政府を上げて取り組み、成長と分配の好循環を創り出していかなければならない。

経済産業省[産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会]は、本年3月に公表した『第3次中間整理で提示する2040年頃に向けたシナリオについて』で、「これまでの考え方・やり方では、これまでどおり当面社会は安定するが、実質賃金・GDPの成長は横ばいにとどまり、新興国に追いつかれ、海外と比べて『豊かではない』状況に。社会の安定性すら失われる可能性」と明らかにした。こうした危機感を共有し、「経済あっての財政」という方針を徹底し、財政政策と金融政策を含むあらゆる政策を総動員して、デフレからの完全脱却を果たさなければならない。

2023年10-12月期時点の政府債務残高/GDPは、コロナ前の水準まで低下している。それは経済成長要因とインフレ要因によるところが大きい。足元では日本でもインフレが定着しつつあり、政府債務の負担が実質的に軽減され、将来の成長に向けた財政支出を行える自由度は高まっている。

マクロ経済学の世界的専門家オリヴィエ・ブランシャール氏が、著書『21世紀の財政~低金利・高債務下の正しい経済戦略~』で述べているように、債務を活用して成長を促すことが、むしろ財政を健全化させる。そもそも日本は他国とは比較にならない資産を保有しており、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は0.2%と、ドイツに次ぐ高い信用がある。

一定のプライマリーバランス(PB)赤字を許容する方が、むしろ経済成長により「財政の信任」は高まる。経済成長率が長期金利を上回る状況(ドーマー条件)では、債務は発散することはない。名目GDPを引き上げていくことこそが財政健全化に結びつく。今後もインフレ傾向を維持するためには、不足してきた国内需要を政府支出で支え、供給力を2〜3%上回る構造(高圧経済)を創り上げる。

企業はまだ貯蓄超過の状態にあり、民間投資は圧倒的に不足している。高圧経済こそが構造的賃上げや労働移動の円滑化を促し、コストカットを抑制する経済構造であり、政府がインフラや人への投資、企業の国内投資を促す政策を進め、民間投資を呼び起こす財政運営を行っていく。

また、国債60年償還ルールによる国債償還における定率繰入は、あくまで公債政策に関する政府の節度ある姿勢を示すために導入されたものであり、文字どおりの減債、すなわち国債発行残高の減少を目指すものではない。柔軟な財政運営を遂行する妨げとなっているため、これを撤廃し、定率繰入、すなわち現金償還を止め、歳出から債務償還費を除外する。

2、令和7年度予算編成に向けた考え方

① 経済あっての財政を徹底し、経済再生こそが財政を健全化に導く。経済再生に重点を置いた予算編成を行う。

② 近年のインフレ率を加味した予算とする。

③ 社会保障関係費以外の一般歳出について、3年間で合計1000億円の増加に留めることとする歳出の上限、いわ
 ゆるキャップを外し、硬直化した予算の抜本的転換を図る。

④ PB黒字化目標が国内需要不足の要因となってきたことを踏まえ、期限を設けず「公共投資等の投資的な歳出を
 除くPB(コアPB)」を、新たな財政規律の目安とする。

⑤ 国際的な競争に勝ち抜けるよう、重要な政策には充分な予算を計上する。

⑥ 事前防災を徹底して行い、物流を支え生産性向上に資するインフラの充実を図るため、新たな国土強靭化中期
 計画を早急に策定し、充分な予算を措置する。

⑦ 予算の単年度主義を改め、中長期の財政中立を目指す。投資的歳出は、経常的歳出とは分けて、将来的な便益
 や経済成長を加味した中長期的な視点で、国債での資金調達を軸とする。

⑧ 外国為替資金特別会計の収益を、投資的歳出の財源として積極的に活用する。

⑨ 国債60年償還ルールを撤廃し、無用の現金償還を止め、歳出から債務償還費を除外する。

⑩ いまだ道半ばであるデフレ脱却に向けて、財政政策と金融政策を含むあらゆる政策を総動員する方針を
   堅持する。

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